2021.1.26 お相手:馬場幸子さん・蒲生孝子さん・長谷川敬子さん
1993(平成5年)12月に設立されました。現在の会員数は13名。震災前から震災後の活動のお話を聞きました。中でもぺパンさんが力を入れている「ストーリー・テリング」は、とても素晴らしいものです。
おはなしぺパン設立
おはなしぺパンさんは、1993年(平成5年)12月に設立された子ども読書支援グループです。2021年1月現在13名で活動しています。今回は、代表の馬場さん、会員の蒲生さん、長谷川さんにお話を伺いました。
おはなしぺパンを設立するきっかけとなったのが、陸前高田市立図書館主催の読み聞かせ講座でした。講師は盛岡市のNPO法人「うれし野子ども図書館」の高橋美知子さん。講座を受けた馬場さんたちは、「もっと勉強したい」「高田の子どもたちにも聞かせたい」と思ったことが設立のきっかけとなったそうです。馬場さんたちはすぐにグループを設立し、翌月1月には勉強会を開始、さらにうれし野子ども図書館さんのアドバイスもあり翌々月2月には陸前高田市立図書館で「ぺパンおはなし会」をスタートさせました。おはなし会を始めると足りないところがすぐわかったと馬場さんは言います。
おはなしぺパンが大切にしていること
おはなしぺパンを設立するきっかけとなったのが、陸前高田市立図書館主催の読み聞かせ講座でした。講師は盛岡市のNPO法人「うれし野子ども図書館」の高橋美知子さん。講座を受けた馬場さんたちは、「もっと勉強したい」「高田の子どもたちにも聞かせたい」と思ったことが設立のきっかけとなったそうです。馬場さんたちはすぐにグループを設立し、翌月1月には勉強会を開始、さらにうれし野子ども図書館さんのアドバイスもあり翌々月2月には陸前高田市立図書館で「ぺパンおはなし会」をスタートさせました。おはなし会を始めると足りないところがすぐわかったと馬場さんは言います。
おはなしぺパンさんの活動は、絵本の読み聞かせや紙芝居、わらべ歌など様々ありますが、中でも一番ちからをいれているのが「ストーリー・テリング」です「ストーリー・テリング」とは「おはなしを語る」こと。本の内容をすべて覚え、本を見せずにおはなしすること。ストーリー・テリングは、「耳からの読書」と言われており、絵や文字を見ないぶん聞く人たちは集中し、物語を想像してしまいます。5~10分のおはなしもあれば30分以上のおはなしもあり、子どもから大人まで夢中になって聞いてしまうのです。
2009年(平成21年)、2017年(平成29年)には、名古屋市在住の語り手・下澤いづみさんを招き、ぺパンさん主催のおはなし会を開催。いままでできなかったストーリー・テリングだけのおはなし会をしました。大船渡や住田、一関からおはなしを聞きに来られる方もいたそうです。
震災前と後の活動
震災前おはなしぺパンさんは、陸前高田市立図書館と協動で活動していました。1994年(平成6年)2月~2011年(平成23年)3月まで毎月3回図書館で「ぺパンおはなし会」を。また、市内の小学校や保育園など依頼に応じて「訪問おはなし会」をしていました。
2000年(平成12年)に子どもたちの読書を国を挙げて応援するため「子ども読書年」ができ、2005年(平成17年)に文部科学大臣表彰を受けました。この年に現在も続く東海新報紙上で絵本紹介コーナー「えほんでほっ」がスタート。2021年(令和3年)1月現在で紹介した絵本は167冊だといいます。「紹介した絵本をひとつの冊子にしたいな」とみなさん言われておりました。
2007年(平成19年)、2008年(平成20年)には、作家であるアーサー・ビナードさん、斉藤洋さん、木坂涼さんや絵本作家の川端誠さんや飯野和好さんなどたくさんの作家さんを招き、ご本人が読み聞かせをしたり、体験談を話したりしてくれたそうです。「本を書いた人に出会えることはとても素敵なこと。陸前高田市の理解があったから作家さんを呼べた。当時は忙しかったけど、出来ないことができてやりがいがあって楽しかった。」と語っていました。
2011年(平成23年)3月11日東日本大震災発生。おはなしぺパンさんも活動を休止しました。自宅や本が流され、会員の1人も亡くなりました。しかし、「ぺパンのみんなの顔がみたい」と同年9月に勉強会を再開。翌年2012年(平成24年)には「おはなし会」を再開しました。「あの頃は落ち着かなかったけど、ぺパンがあって本当によかった。心が休めた。」や「小学校でたんぽぽの絵本を読んだらたんぽぽを知らない子どもたちがいた。学校の校庭には仮設住宅があったし、大人も子どももみんな大変なときだったから。」と当時のことを話してくださいました。
2013年(平成25年)12月には、結成20周年を迎え「ぺパンおはなし会スペシャル」を開催。2年後の2023年には30周年を迎えるということで「何か企画しないと!」とみなさんワクワクされていました。
さいごに
おはなし会での絵本などは、月2回の勉強会で会員のみんなで出しあい、年齢にあっているかや本の内容などで決めているそうです。また、勉強会で読み方や語り方のアドバイスもしあっているそうです。
今、私たちの周りにはたくさんの本がありますが、子どもたち1人1人に合った本があるそうです。その子に合った本は、何度も何度も繰り返し読み、合っていないと読み手がおもしろい本だと思っても途中でいなくなってしまったりするそうです。「好きな本に出会えることは幸せなこと。」「『聞く』ことが生きるちから。すべては『聞く』ことから始まる。」とたくさんのことを教えていただきました。
「大人も真剣に楽しく!1回1回のおはなし会を大切にしている。」と最後に話してくださいました。
取材者:けせん地域取材チーム お~ふなとちゃん
馬場幸子さん・蒲生孝子さん・長谷川敬子さん
陸前高田市で読書の支援活動をしているグループ。保育園や小学校をはじめ一般の方に向けたおはなし会を開催している。2023年には30周年を迎える。