けせん震災と昔の記憶

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産業
いわて地産地消レストラン認定店「仙華園」

見出し「産業」

2021.1.22  お相手:吉田宏さん

 大船渡方面へ向かう陸前高田国道45線沿いにあるレンガ色が目立つ建物、食堂café&Crepe仙華園。
 東日本大震災により被災したものの、仙華園オーナーの吉田宏さんは、高田の人々に笑顔と安心安全な食を届けたい思いで、わずか3ヵ月で再建しました。
 いわて地産地消レストラン認定店の仙華園は、老若男女問わず人々がくつろげる空間が広かる店内、地元産にこだわった豊富なメニューが並びます。
 また、食堂cafe仙華園オーナーとしてだけではなく、りんご農家も営む吉田さんは自ら生産したりんごを使ったスイーツも提供しています。

やっぱり地元が好き

 北海道大学で公務員として働いていた吉田さんは、「地元で農業がしたい!」と、地元陸前高田市に戻り実家で営んでいた仙果園(りんご農家)で農業に励んでいました。
 りんごの生産に力を注ぐ中、興味のあった料理も始めたい思いが膨らみ「岩手の物、陸前高田の物を使った料理がしたい!」という思い、食堂を始めました。

仙華園1

りんご農園「仙果園」のりんごの木

仙華園2

りんご直売を改装しオープンしたプレハブの店舗

リプルからの今

 2011年3月11日。東日本大震災はまだ記憶にも新しい大災害でした。仙華園も震災前は、今は無きショッピングセンターリプルのフードコートに「上海厨房 仙華園」として店舗を構えておりました。
 リプルごと波にのまれ仙華園は被災しました。
 復興の兆しが見えない中、「ボランティアもあるけれど、飲食店をオープンすれば町の人々に喜ばれるかな」と思い震災後わずか3か月で陸前高田市でも、いち早く仙華園を再建しました。場所は現在の店舗を構える場所です。元々は家族が運営するりんごの直売所でしたが、店内を改装し厨房器具は従業員と協力して宮城県仙台市まで買い付けに走ったそうです。

いわて地産地消レストラン

 岩手の食材にこだわる吉田さんの経営する仙華園は「いわて地産地消レストラン認定店」です。たくさんのメディアに取り上げられたり、東京銀座のアンテナショップに出店したり、2020年には三陸花火大会に出店など、いろいろなことに精力的に活動しています。
 陸前高田の海の幸を使って作る仙華園の「タコ丼」は数あるメニューの中でも人気の一品です。「ふるさと三陸オリジナル丼グランプリ」で最優秀賞を受賞したタコ丼レシピを、広田半島近郊のタコ漁師の村上さんにレシピを教えてもらい、独自のアレンジを加え自家製ダレを考案して仙華園の看板メニューとなりました。

仙華園3

やわらかい煮ダコ、サクサク衣のタコ唐!
看板メニューのタコ丼

仙華園4

広い店内、この他ソファー席や子供椅子もあります

これからの仙華園

 「おらぁ、ソファーでラーメン食べるなんて初めてだぁ!」とご年配のお客様から喜ばれ、お年寄りから小さなお子様づれの方々、お一人様からファミリーまで来店する仙華園は、市民の憩いの場となっています。
 また吉田さんは、「外にもいずれは、テラス席とか作って、もっと広げたい!りんごのメニューを増やしていきたい!」とお話ししてくださいました。

取材者:けせん地域取材チーム みーママ

プロフィール写真

吉田宏さん


陸前高田市生まれ。大学卒業後、北海道の大学で公務員として勤務するも、農業がやりたい思いで里帰りしました。
地元の食材や料理に興味を持ち、2000年にショッピングセンターリプルにて上海厨房 仙華園を開業しました。東日本大震災ののち、食堂café&Crepe仙華園を現店舗にオープンしました。