けせん震災と昔の記憶

けせん震災と昔の記憶

特集記事

Feautured Article

料理
昔ながらのおやつ雁月作り

見出し「料理」

2021.1.8  お相手:新沼寿子さん

 コンビニやスーパーがなかった時代のおやつはどんなものだったんだろう?
 調べてみると、けせん地区では雁月(がんづき)やゆべし、なべやきなどを食べていたそうです。もちろんのこと、毎日毎回手作り!どのように作られているのでしょう?

雁月って知ってますか?

 雁月(がんづき)とは、宮城県と岩手県の一部でよく食べられる小麦粉を使ったお菓子。
 ういろう状と蒸しパン状の2種類があり、気仙地区では蒸しパン状の黒糖を使ったものが主流となっています。

 長年の間に時代の流れや、各家庭の好みで材料を変えながらそれぞれの家庭の味になったそうです。

 今回は雁月の作り方を大船渡市に住んでいる新沼寿子さんに教えていただきました!

「寿子さん流雁月」のレシピ

・薄力粉      300g
・重曹(タンサン) 20g
・黒糖       280g
・牛乳       180cc
・たまご      1個
・サラダ油     大さじ2
・はちみつ     大さじ2
・酢        大さじ3
・くるみ      適量
・ごま       適量

雁月1

さっそく作ってみました!

① まずは薄力粉と重曹をふるいにかける。
 寿子さんは袋の中で粉をふるい、飛び散らないように工夫していました。
 粉をふるったら少しその状態のまま置いておきます。

② 牛乳を電子レンジで温める。
 これも寿子さんのアイディア。
 昔は鍋で温めて砂糖を溶かしたそうです。

③ ②をボウルに入れて、黒糖を溶かす。

④ たまごを入れゴムベラで混ぜる。

⑤ サラダ油・はちみつ・酢を入れる。

⑥ ①の粉を入れ、混ぜる。

⑦ 全体が混ざり、プツプツと気泡が出てきたら、ラップをかけ、その上に布巾をかける。
 (大きいビニール袋に入れて、こたつで発酵させてもOK!)

⑧ 蒸し鍋に水を入れ沸騰させる。

⑨ 沸騰したらクッキングシートを敷き、⑦を流しいれる。

⑩ ごまやくるみをちらす。
 真ん中に集中しすぎるとつぶれるので、真ん中には少なめにのせる。

雁月2

⑪ 蒸し布をかけて、中火で20分蒸す。

⑫ 20分経ったら、竹串などを刺してみて粉がついてきたらもう少し加熱。ついてこなかったら完成。

雁月3

⑬ まな板や、開いた牛乳パックなどにラップを敷く。

⑭ 鍋のクッキングシートを持ち上げ、⑬の上に裏返しに置き、クッキングシートを外す。

雁月4

⑮ 裏側にもラップを敷いて、まな板などをのせひっくり返す。

 これで完成です。

寿子さんのワンポイントアドバイス

・雁月は決まった作り方がないので、自分で好きなようにアレンジできます。
・サラダ油とありますが、何の油でも作れます。
(でもオリーブ油は香りが強くて寿子さんは苦手だったそう)
・白砂糖で白い雁月も作れます。その場合は、重曹をベーキングパウダーに変更すると良いそうです。

 今回は冬休み中の長男(年長)も一緒に雁月作りを教わりました。

 おうち時間も増えた今、お子さんと一緒に雁月作りいかがでしょうか?

雁月5

取材者:けせん地域取材チーム さとちん

プロフィール写真

新沼寿子さん


陸前高田市米崎町出身。大船渡市末崎町に嫁ぎ、震災後は大船渡町在住。
小さいころ、農作業の合間に食べる「たばこ」(おやつのこと)を教えていただきました。